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ソフトウェア開発主体のスターシステム
中古設備売買プラットフォーム運営の
シェアリングファクトリーを買収 
「製造×IT」でイノベーションを目指す

ソフトウェア開発などのサービスを主体とする株式会社スターシステム(本社・愛知県名古屋市、代表取締役・稲葉弘承)が2023年12月27日に、日本特殊陶業株式会社から設備機器売買仲介、シェアリングサービスの株式会社Sharing FACTORY(シェアリングファクトリー)(本社・愛知県名古屋市、代表取締役・長谷川祐貴)の株式90%を取得した。

すでにシェアリングファクトリーの代表取締役に就任しているスターシステムの稲葉氏は、両社で相乗効果を高めていくことで「製造業×IT」のイノベーションを生み出していくと意気込む。

シェアリングファクトリーとは

 

シェアリングファクトリーは2018年に、総合セラミックメーカー日本特殊陶業の社内ベンチャーとして設立された。

シェアリングファクトリーの創業者の長谷川祐貴氏は、同社のミッションは工場の困りごとをシェアリングで解決していくことにあるとする。

同社の事業はよく、メルカリの製造業版といわれる。メルカリは、ある人が要らなくなったものを出品して欲しい人が買い取る仕組みだが、これと同じことを複数の製造業企業の間でやろうというのである。

シェアリングファクトリーが取り扱う設備機器はすでに常時2,000点を超え、会員登録社数も2,400社を超えた。(会員登録は無料で行っている)

シェアリングファクトリーの主な事業は、製造業企業の遊休資産の売買のサポートと、

工場の設備や機器、計測器などのシェアリングサービスである。

 

製造業企業の遊休資産の売買のサポートとは

シェアリングファクトリーが行っている製造業企業の遊休資産の売買のサポートは、売りたい企業と買いたい企業が直接売買を行う環境の提供である。主に売買の機器を掲載できるサイト運営だけでなく、中古機械ならではの売買前の機械の目視確認や、中古機器販売を多数のノウハウで売り手に寄り添って担当員がしっかりサポートしていくのも本サービスの強み。

製造業企業のなかには、不要になった工作機械などを買取業者に買い取ってもらおうとしたところ査定額が低額で売却を断念したという会社もあるだろう。売却できないと使わない機械は遊休資産になってしまう。このミスマッチは買取業者が中古機械の価値を正しく判定できないことで生じる。

そこで売りたい企業と買いたい企業をマッチングさせれば、買いたい企業は中古機械の価値を適正に判定できるので、売りたい企業の希望額に近い金額を提示できるというわけだ。

また、直接売買を行えば買取業者の手間賃や中間マージンが不要になるので、買いたい企業は想定より安く買える可能性がある。売買が成立した時点で、売り手は手数料不要で買い手からシェアリングファクトリーに手数料を支払うという点も売り手に優しいシステムである。

設備機器のシェアリングサービスとは

設備機器のシェアリングサービス事業は、ある企業の設備機器を他社に貸すサービスだ。同社が取り扱う設備機器は、工作機械、加工機械、製造機械、計測・試験・検査機器、科学・理化学機器、工具・作業用品、工場設備、搬送・物流機器などで、さらに工場などの場所も対象になる。最近の人気アイテムは、稼働率は低いが購入金額が高い計測機器である。

設備機器を貸したい企業は、シェアリングファクトリーに社名や貸したい設備機器などを登録する。

設備機器を借りたい企業は、シェアリングファクトリーのサイトから利用したい設備機器を探す。

「貸したい」と「借りたい」がマッチしたら、料金や配送方法などを調整して対象の設備機器を送る。

シェアリングファクトリーはそのマッチングした企業からの手数料を収入とする。

スターシステムとは

スターシステムは2023年12月27日、日本特殊陶業からシェアリングファクトリーの株式90%を取得して同社を買収した。(株式の10%は日本特殊陶業)

スターシステムは2005年設立のIT総合企業で、手がける事業は、ソフトウェアの企画・設計・開発、情報システムの運用・保守、IT機器の販売、工作機械・搬送機の制御・設計、電気設計業務、IT系業務サポート(常駐支援)、コンサルティングなどと幅広い。社員数はグループ全体で約320名。

本社は愛知県名古屋市にあり、東京都港区に事業所と、広島、三重に営業拠点が、愛知県犬山市にシステム開発拠点と、機器の組付工場がある。

スターシステムの傘下企業になってからも、シェアリングファクトリーの事業は継続される。

スターシステムにとってのシェアリングファクトリーの魅力とは

スターシステムの稲葉氏は、シェアリングファクトリーを買収した理由として次の3つを挙げる。

  1. 製造業企業の困りごとをユニークな方法で解決していて将来性がある
  2. 中古の設備機器や遊休資産を有効活用するビジネスは環境問題やSDGsといった現代の潮流にマッチしている
  3. 創業時から2軸で経営しているスターシステムのIT事業と、機械設備・工作機械メーカー様向けの制御設計、電気設計や機器組付け事業との相性がよく、相乗効果やイノベーションを生むと期待できる

スターシステム×シェアリングファクトリーのシナジーとは

シェアリングサービスの今後の取引拡大は、遊休資産・設備を保有する様々な製造業企業の助けとなり、時代のニーズを捉え必要不可欠なサービスとなっていくと考えられる。

また、シェアリングファクトリーの事業は多くの製造業に関わり、スターシステムの事業はITに関わるわけだが、稲葉氏は創業時から中部地区の設備機器メーカーや工作機械メーカーとの取引の中で、今後の製造業はIT抜きには発展できないと考えている。IT主体のスターシステムは、傘下企業となったシェアリングファクトリーを通じてより多くの製造業に関わることで、製造業に変革をもたらそうというわけだ。またスターシステムとしては自動車部品製造企業や金属加工を主体にした中小企業に対し、細やかなITニーズをとらえやすくなり、IT関連ビジネスの販路拡大を期待できる。

シェアリングファクトリー 

https://sharingfactory.co.jp/

スターシステム

https://star-system.jp/